こんにちは。 id:skozawa です。
こちらの記事は Gunosy Advent Calendar 2024 の 18 日目の記事です。 昨日は吉岡さんの 僕がエンジニアリングマネージャーとしての迷いから抜け出した 3 つの心がけ でした。
12 月 13 日(金)に第 2 回インフォメーション・ヘルス AWARD の表彰式、シンポジウムがあり、私はアイデア部門の選考委員として参加させてもらいました。 詳細なレポートは後日、NHK 財団さんから配信されると思いますので、今回は参加した感想などを簡単に書きたいと思います。
インフォメーション・ヘルスとは
「インフォメーション・ヘルス(情報的健康)」とは、私たちが日々接する情報の質やバランスを適切に保つことで、健全な情報環境を維持しようとする考え方です。これは、東京大学の鳥海不二夫教授や慶應義塾大学の山本龍彦教授らが提唱しています。
この概念は、食生活における栄養バランスに例えられます。好きなものばかり食べていると体の健康が損なわれるように、偏った情報ばかりを取り入れると「情報の偏食」となり、フェイクニュースや誹謗中傷の拡散などにつながるとされています。
情報的健康を維持するためには、以下の点が重要とされています。
多様な情報源に触れる: 特定の意見や視点に偏らず、さまざまな情報に接することで、バランスの取れた視野を持つことができます。
情報の信頼性を確認する: 情報の出所や根拠を確認し、誤情報やフェイクニュースに惑わされないようにすることが求められます。
情報リテラシーの向上: 情報を正しく理解し、適切に活用する能力を高めることが、健全な情報環境の構築につながります。
これらの取り組みを通じて、個人や社会全体の情報的健康を守り、健全な言論空間を維持することが目指されています。
生成 AI に解説してもらいました。 情報過多の現在、フィルターバブルやエコーチェンバーなどの様々な課題があり、情報摂取のあり方についても考える必要があるという内容です。 詳しくは以下の共同提言をご覧ください。
共同提言「健全な⾔論プラットフォームに向けて ver2.0 ―情報的健康を、実装へ」
表彰式・シンポジウム
会は以下のような流れでした。
- 表彰
- アイデア部門のシンポジウム
- 基調講演
- 第 1 回 社会実装報告
- 社会実装部門のシンポジウム
シンポジウムでは受賞者と選考委員の方たちが登壇し、受賞作品やインフォメーション・ヘルスについて議論しました。 私もアイデア部門のシンポジウムに参加させていただき、簡単ながら受賞作品へのコメントや議論に参加させてもらいました。
また、第 1 回グランプリの心組成計の社会実装に関する報告がありました。 心組成計は 12 の設問に回答すると、ネット環境で個人が陥りやすい「タガの外れ」具合が数値化されます。 アイデアの社会実装が進んでおり、利用者のデータを分析した結果が報告されました。 グランプリ作品が実際に実装されるのはインフォメーション・ヘルス AWARD の素晴らしいところだなと感じました。
基調講演では国際大学の山口先生から、誰もが情報が発信できる「人類総メディア時代」についてお話がありました。 SNS での誹謗中傷の話や、ネット世論はサイレントマジョリティーの意見が隠れてしまい本来の分布とは異なることなど、参考になる話が多くありました。
アイデア部門の選考
今回、私はアイデア部門の選考委員として参加させてもらいました。 100 件程度の応募作品の中から優秀だと思うものを選定しました。
初めての参加だったということもありますが、応募作品のアイデアは多様で面白いアイデアも多かったため、どういう基準でどのように選考するかを迷いました。 アイデア部門の選考委員の中で技術者は私だけだったため、技術的な観点も考慮に入れつつ、体験を変える力がありそうかという観点を中心にいくつかの観点からアイデアを評価をさせてもらいました。 基調講演で山口先生から、「気づき」を与え「行動変容」へ、という話もあり、改めてこの観点の大事さを感じました。
当然ながら私一人の評価で受賞が決まるわけではなく、選考委員の皆様との選考委員会を通じて受賞作品は決まります。 選考委員会での議論もシンポジウム同様に深い議論になり興味深く参加させていただきました。
まとめ
第 2 回インフォメーション・ヘルス AWARD に選考委員として参加させてもらいました。 今年はアメリカ大統領選や兵庫県知事選など、SNS の情報が大きく世論に影響を与える出来事が印象的な年になりました。 選考委員会やシンポジウムを通じて、情報を扱う重要性や難しさを改めて感じるとても良い体験となりました。
明日の記事は mtjune さんの ECS で動く Web サーバーを安全に終了させる話です。お楽しみに!