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僕がエンジニアリングマネージャーとしての迷いから抜け出した 3 つの心がけ

こんにちは。アプリチームマネージャーの吉岡 ( rikusouda ) です。

これは Gunosy AdventCalendar 2024 の 17 日目の記事です。16 日目の記事は miyagi さんの QAのバグトラッキングで大切なこと でした。

2 年間のエンジニアリングマネージャー経験からいろいろ迷う場面がありましたが、それらを解消した 3 つの心がけを紹介します。

エンジニアリングっぽい写真

はじめに

2022 年の秋、僕は「エンジニアリングマネージャー」という新たな挑戦に直面しました。それまで約 20 年間エンジニアとしてキャリアを積み、特に iOS 開発では 5 年の経験がありましたが、マネージャーの役割は未知の世界でした。 「どこまで自分で手を動かすべきか」、「メンバーの仕事にどの程度介入すべきか」など、これまでに経験したことのない迷いに直面しました。

この記事では、僕がその迷いから抜け出した 3 つの心がけを共有します。

迷いから抜け出した 3 つの心がけ

マネジメントに関する本を読んだ際、「マネージャーの成果はチームの成果と、自分が関わる周りのチームの成果の合計である」という考え方に出会い、それが大きな転機となりました。この視点を通じて、マネージャーとしての役割が自分の中で腹落ちしました。

さらに読書をすすめる中で、下記の 3 つの心がけが僕の迷いを解消したことに気が付きました。

1. チームの成果に責任を持つ : 任せることと丸投げの違い
2. 自分個人ではなくチームで活躍する
3. チームの雰囲気を育む

1. チームの成果に責任を持つ : 任せることと丸投げの違い

マネージャーの役割は、チームの成果を最大化することです。そのためには、メンバーに任せられる部分は積極的に任せつつ、必要な場面でしっかりと関与するバランスを取ることが重要です。

任せる際には、次の問いを自分に投げかけます。

  • この人の意思決定に自分が責任を持てるか
  • 自分が関与しない場合にどのような結果が予想されるか

例えば、ある施策で事前分析が不足していた際、僕は「レビューで気づけなかった自分の責任」と考えました。その経験を踏まえ、以降は施策実施前に追加調査を依頼するようにし、成果の確実性を高めました。

こうした視点を持つことで、メンバーの仕事に対しての関わり方が見えてきました。

2. 自分個人ではなくチームで活躍する

僕が意識しているのは、「メンバーが成果を上げることを喜べるマネージャー」であることです。挑戦しがいのある課題があるとき、自分で解決したい気持ちを抑えメンバーに任せることで成長を支援します。

基本スタンスとして、自分で書いたコードよりもメンバーの書いたコードのほうがマネージャーにとって、チームにとって価値の高いものと考えます。

僕が手を動かすときは、チーム全体の成果を守るためです。例えば、グノシーアプリのリファクタリングでは、内部コードの理解を深める目的もあり、実装タスクを事前に一つ引き受けました。これにより、リファクタリング計画の精度が上がり、チーム全体の生産性も向上しました。こうした状況で手を動かすことは、チーム全体の成果を守るために重要です。

3. チームの雰囲気を育む

チームの雰囲気は、成果に直結する重要な要素です。特にリモートワークが主流の今、コミュニケーションのハードルを下げる工夫が欠かせません。

僕が採用した方法の一つが「パーソナリティを開示する自己紹介」です。以下のポイントを盛り込み、チームの壁をなくすことを意識しました。

  • 学生時代の写真 : 親近感を生む
  • 家族や趣味の話 : プライベートな一面を共有
  • 過去のプロジェクト経験 : 専門性を示す

これにより、メンバー同士のコミュニケーションのハードルが下がり、結果的にチームの雰囲気が柔らかくなったと感じています。 メンバーによっては公開したくないプライベートもあると思うので公開を強制しませんが、マネージャーが先に自己開示することでメンバーの自己開示のハードルを下げるようにしました。

自己紹介シートの一部

※この方法は僕が Gunosy に入って最初に所属した LUCRA チームの自己紹介フォーマットを参考に、自チームで復活させました

最後に

僕がエンジニアリングマネージャーとして何もわからなかったところから、試行錯誤していく中で得た心がけを紹介しました。 その心がけが、マネージャーとしての僕の判断軸となっています。

かっこいいことを書きましたが、その心がけを完全に体現するには自身のスキルアップの必要性も感じています。

この記事が、マネージャーとして迷いを持つ方や、今後エンジニアリングマネージャーになることを視野にいれる人の参考になれば幸いです。

明日は id:skozawa さんの 第2回インフォメーション・ヘルスAWARDに参加しました です。