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try! Swift Tokyo 2024に行ってきました

こんにちは。GunosyでiOSアプリ開発をしている吉岡(@rikusouda)です。 try! Swift Tokyo 2024に参加してきたのでレポートを書きます。

はじめに

try! Swift TokyoはSwiftをはじめとするiOSアプリ開発などを取り扱う技術カンファレンスです。

tryswift.jp

僕はtry! Swift Tokyoには2017年から参加していて今回で4回目です。病気の流行などがあった関係で開催できない期間があったようで、前回の開催が2019年(その時の参加レポート)から5年ぶりの参加でした。

今回は800人くらいの参加者がいて、そのうち200人位は海外からの参加者とのことでした。Swiftに関わる人が一つの箇所に集まるのはすごいことではないでしょうか。

個人的に、try! Swift Tokyoが初めて参加した技術カンファレンスということで思い入れもあり、今回も参加できたことが嬉しかったです。

気になったセッション

Swiftについてだけではなくエンジニアリング全般について様々なセッションのあるカンファレンスでした。すぐに役に立ちそうな内容や、将来の引き出しとして取っておきたいものなど様々のセッションを楽しみましたがその中でも個人的に興味深かったセッションを紹介いたします。

Swiftの型推論を学ぼう

speakerdeck.com

Swiftコンパイラの中で、わたしたちの書いたコードの型推論がどのように行われているのかを詳細にかつ簡潔に説明いただきました。 型推論が何故動いているのか、普段書いているコードの推論がどれくらいコンパイラに負荷をかけているのか、型推論ができずにコンパイルエラーになるケースは何なのかなど、普段Swiftコードを書いているだけではわからなかったのですが、このセッションを聞いて概要を理解することができました。

このセッションの内容を自分で調べることは普段コンパイラに触れていない人にはハードルが高いことですが、要点から解説いただいて実例を交えた内容なので短時間で理解できることがありがたいです。

プロダクトのソースコードがどのように作用するのかを知ることで、コミットされたコードに対して自信を持つことができますし、良いコードを判断するための引き出しが増えると思いました。

ゲームのSwift移植から見えたC++ interoperabilityの展望

speakerdeck.com

私はC++の経験者なので、SwiftとC++をつなぐ内容には興味がありました。

C++とSwiftの関係性が、Objective-CとSwiftの関係のように相互に利用しやすくなったことが伝わり、「C++プロジェクトのSwift移行」も現実的な選択肢に入るくらいの所まで来たと感じました。

また、すでにあるC++の資産をiOSアプリなどのSwiftを主に利用するプロジェクトに取り込むときの容易さも理解することができました。

ワークショップ

3日はいくつかのワークショップが開催され、その中から興味のあるものを選んで参加することができました。今回はその中から「The Composable Architecture」というワークショップに参加しました。

解説が英語だったのでリアルタイムでのキャッチアップに難しさを感じましたが、内容をあとからでも辿れるようにコミットの履歴を残しながら勧めてくれたのでおいていかれてしまった人もあとから付いていくことができるような配慮がありました。

普段自社内だけで開発していると他のアプリのアーキテクチャに実際に触れる機会はあまりないですが、実際にコードを書きながらTCAと呼ばれるアーキテクチャに触れられたのは良い経験となりました。

午後は「もくもく会」とワークショップを任意に選ぶ方式でしたがもくもく会を選択。今までに雪崩のように入ってきた情報を一つ一つ消化する時間とできました。

まとめ

try! Swift Tokyoは5年ぶりの開催で、参加してSwift関連技術について深堀りをする空気に触れられたことがとても良い機会でした。また普段お話できないような社外のエンジニアの方々と交流をする貴重な機会となりました。

try! Swift Tokyoに関係するすべての方々と、参加を支援いただいた会社への感謝を込めてこのブログ記事といたします。