KPTのファシリテーターをやっていると、たくさんの意見が出てきて時間通りに終わらない悩みを持ったことはないでしょうか?
この記事ではファシリテーターが公平にKPTを時間通り終わらせる方法を紹介します。
KPTに対する苦手意識
アライアンスメディア事業部の石田です。
以前は広告の部署に在籍していましたが、今年の6月から異動しました。
異動した部署ではスプリントのふりかえりにKPTを採用しているのですが、今回はそのファシリテーターを務めた話をしたいと思います。
異動の当初、私はKPTに対する苦手意識がありました。
それは膨大なProblemの背景や経緯の把握に非常に時間がかかって会議の時間オーバーが頻発した経験があり、KPTをあまり生産的ではないと思ったからです。
しかし、そういった苦手意識を克服するためにも新しいチームではKPTの改善を思い立ち、ファシリテーターをやってみました。
当時のKPTの良くないところ
改善のために当時のKPTを振り返ると二つ良くないところを見つけました。
- すべてのふせんを取り上げること
- 重要でない事項を掘り下げて議論すること
このように、参加者が書いたふせんをすべて取り上げて一つ一つ原因と対策を話し合っていれば時間オーバーするのも当然でしょう。
会議の時間は限られていますから、時間内にすべてのふせんを取り上げることは諦めて、重要なものだけ話し合った方が良いはずです。
とはいえ、「重要なふせんを選ぶ」というのも難しいものです。
ファシリテーターが恣意的にふせんを取り上げれば参加者は不満に思うでしょうから。
実際のところ、新しいチームで何回かKPTをやってみるとやはり時間オーバーしたので、何とかしてこれを変える必要がありました。
KPTのホワイトボードを4つに区切った
そこで、私は以下のようにKPTのホワイトボードを重要性と緊急性の観点から4つに区切りました。
新しいKPTのルールは、以下のようにしました。
- 一定時間(ここでは7分)以内にKeep・Problem・Tryを参加者は好きなだけ書き込んで良い
- ふせんは必ず4つのスペースのどこかにそれを書いた人が置く
- ファシリテーターは所定の時間内(ここでは15分)にできるだけ多くのふせんを取り上げて参加者に話し合ってもらう
- ただし、取り上げる優先順位は「重要かつ緊急」を第1位、「重要だが緊急ではない」を第2位とする。
- 最低限「重要かつ緊急」のスペースに置かれたふせんをすべて話し合えればそのKPTは成功とする
重要性と緊急性を使った分類方法についてはこちらに簡潔にまとまっているので参考にしてください。
この方法ならばファシリテーターが恣意的にふせんを選ぶ問題を回避しつつ取り扱うべき話題を決められるので、KPTが時間オーバーする頻度も下がり、遅れも数分程度に収まりました。
おわりに
ふせんを使ったKPTのやり方は広く知られていますが、参加者の人数が増えるにつれて時間配分が難しくなっていきます。
ふりかえりのやり方は定期的に見直して、限られた会議の時間を有効に使う方法を検討してみましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました。